妊娠をすると、膀胱炎になりやすいとよく言われます。その原因は、妊娠によってお腹が大きくなり、膀胱が圧迫され膀胱内の尿が空になりにくく、細菌の感染が起こり膀胱炎になる傾向にあります。一般的に、膀胱炎でも症状がない場合は、抗生物質は控えることが多いようです。抗生物質を継続的に投与すると、耐性を持つ細菌を増やしてしまうことがあるからです。しかし、妊娠中の場合、膀胱炎の病原菌が腎臓まで感染を起こしてしまうリスクを考え、症状がなくても、抗生物質での治療を行います。
病院によっては、妊娠中の膀胱炎には、漢方薬を使用することがあります。膀胱炎でよく使われる漢方薬に、猪苓湯(ちょれいとう)があります。この漢方薬は、よく泌尿器の疾患に使われるものです。その他にも、慢性的な膀胱炎に用いられる五淋散(ごりんさん)、冷え性を伴う場合に使われる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、排尿時の痛みなどに用いられる竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などがあります。症状は、人それぞれ違いますので、漢方薬を使う時は、専門の人に相談する必要があります。
妊娠の後期になってくると、お腹の子供が成長し、子宮も大きくなり、膀胱を圧迫してきます。そのため、膀胱の尿の容量が少なく、残尿感もあり、何度もトイレに行きたくなって、夜中に何度も起きることもあります。尿意があるのに、トイレを我慢していると、膀胱炎の原因となりますので、我慢はしないことが大切です。また、排尿時に痛みを感じる、尿が白く濁るなどの症状が出た場合、膀胱炎の可能性がありますので、重症になる前に、早めに病院で診察を受けましょう。
男性の膀胱炎についてご紹介します。男性の場合、膀胱炎は女性ほど一般的ではないようです。男性の場合は、まず尿道が感染します。そして、その感染が前立腺から膀胱に広がってしまい膀胱炎が起こります。男性が膀胱炎を繰り返してしまう原因として最も多いのは、前立腺の細菌感染が長期化していたり慢性化している点です。
抗生物質を使ていけば膀胱内にたまった尿中の細菌はすぐに除去することができますが、抗生物質の大半は前立腺の内部にまでは十分に届きません。そのためその部分の感染はなかなか完全には治らないのです。その結果、薬物療法を中止してしまうと前立腺内部に残っていた細菌により、膀胱が再び感染を起こしてしまいがちです。
カテーテルや外科手術で使う器具により膀胱に細菌がもちこまれてしまい膀胱炎が起こることもあります。腎臓結石や前立腺肥大などが原因となり狭窄部位ができて尿流が妨げられてしまうと、細菌を含んでいる尿がその部分に滞留してしまいます。そのうち細菌の数が増えてしまい、閉塞した部位より上部で感染症を起こしやすくなってしまうのです。
男女ともに、膀胱と腸管の間に膀胱小腸瘻といった異常な通路ができてしまうと空気が膀胱に入ってしまうことがあります。そしてガスを発生する細菌が膀胱に入ってしまい増殖することがあります。そのような場合には、気泡が尿に混じる気尿症が生じてしまいます。子宮下垂や膀胱下垂といった構造上の異常があれば排尿時に膀胱を空にする力が低下してしまい膀胱炎を引き起こしやすくなります。
